vol.12 CONTENTS

 1.CA研リレー発言
 2.住宅市場フラッシュ
 3.ホームページ探訪 第7回
 4.CA研活動のページ






 『CA研リレー発言』では、CA研究所のメンバーが、リレー形式で、日頃考えている事、問題意識を持っていること等を自由に発言していきます。
 今回は、(株)東洋セラテックの吉岡初浩氏にご登場いただきます。


居住福祉?と住宅

 防災の日がくるたびに地震の話題が新聞やテレビをにぎわせる。防災の日を迎えた後の2003年9月末、愛陶工組合の所在する高浜市において「居住福祉のまちづくり条例」が可決された。
 「居住福祉」という考え方は1995年、あの6000人もの犠牲者をだした阪神・淡路大震災がきっかけで広がりはじめた。この地震による直接の被害者5500人はほとんどが住宅の倒壊による。さらに、真冬の避難所や仮設住宅などでは1000人を超える方がなくなっている。
 長崎総合科学大学教授の早川和男教授(居住福祉論)によれば、自助努力、市場原理の住宅政策が大量の劣悪住宅を累積させたからで、居住の安全が防災の基本だという。
 また、そもそも住宅は個人的なものではあるが、国民の安全に大きくかかわる点では公共性があり、「道路の拡幅より、丈夫な家を」ともいっている。
 高浜市の条例の場合はハードの問題より地域の恊働に力点が置かれているが、国は既に鳥取県がおこなったような個人住宅の被災に一定の補助をおこなう方向を示している。この考え方をさらに進めると既におこなわれている耐震補助のように予防的なところに政策の重点を置いた方が効果的(壊れたものを戻すのは大変)で、今まで個人にゆだねられていた個人の住宅の安全性に公的な考えがもっと入り込むこともあり得る。
 瓦業界は台風性能等にも敏感に反応してきたが、地震にしても、台風にしてもどこまで考えるかで大きく製造コストに影響を与える。もっというと、屋根そのものの安全性を考えた場合別の角度の問題が持ち上がる。そして、瓦の業界だけでなく「居住福祉」における安全のコストの問題は住宅産業に影響を与えることになるかもしれない。

(株)東洋セラテック 吉岡 初浩